能登杜氏とは
三百年の歴史
能登杜氏のはじまりは江戸時代中期にさかのぼるといわれます。 奥能登の農民や漁師たちが、冬の農閑期に灘をはじめ全国の酒蔵へ出稼ぎに赴き、 酒造りの技を磨いたことがその源流です。
やがて能登の造り手たちは「能登衆」と呼ばれ、各地の蔵で杜氏(醸造責任者)として 重用されるようになりました。南部杜氏(岩手)・越後杜氏(新潟)・丹波杜氏(兵庫)と並び、 「日本四大杜氏」と称されるまでにその名を高め、今日まで技と誇りが受け継がれています。
奥能登の風土
寒仕込みの海風
能登流 ─ 濃醇な酒を醸す技
「能登流の酒は濃醇」──。 能登杜氏の醸す酒は、米の旨味を存分に引き出した、濃く力強い味わいで知られています。
厳寒の日本海から吹きつける風、雪をいただく里山。厳しくも豊かな風土のなかで、 麹を丁寧に育て、もろみとじっくり向き合う。手間を惜しまぬ造りこそが、 能登流の真髄です。その技は数々の鑑評会で高い評価を受け、 全国の酒蔵で能登杜氏が招かれる理由となってきました。
名杜氏の系譜
能登杜氏からは、時代を代表する名杜氏が数多く生まれてきました。 「能登杜氏四天王」と称された名工たちをはじめ、 その卓越した技は全国の酒造りに大きな影響を与えています。
名工たちが遺した技と教えは、いまも組合の講習会や蔵の現場で 若い造り手たちに受け継がれています。
一麹
「一麹、二酛、三造り」。酒の骨格を決める麹づくりは、杜氏が最も心血を注ぐ仕事。手のひらの感覚で麹の呼吸を読みます。
二酛
発酵の土台となる酒母を、寒の水と冬の気温を活かしてじっくりと育てる。能登の冬こそ最良の醸造環境です。
三造り
もろみの状態を五感で見極め、搾りの一瞬を判断する。経験と勘、そして科学。そのすべてが能登流の「造り」です。